西日本新聞の「こだま」に投稿した文章が載りました。
丸い缶入りのたばこを見かけ、父が吸っていたのを思い出した。 冊子「私の雑記帳から 天草歴史年表」は父が書いたものだ。「中学校版天草読本の編集をする中で、資料として集めたものが手元にありましたので、ガリ版にでもしてみようかと思い・・」とある。 文字通りガリ版刷り、手書きで、天草の歴史をつづっている。 セピア色に染まり読みづらい箇所もあるが、天草の事が丁寧に書かれていて、天草への愛情がうかがえる。 今でも「天草の歴史を調べる時、この本がとても参考になる」と話す郷土史家がおられることが嬉しい。 おてんばだった私に「こら!勉強せんか」とは父の口癖だった。遊び呆けて頭にげんこつをもらった事も多い。 もう一度、あのころの大きな父の愛に包まれたいと思うが、すでに父はいない。せめて、私の本棚に移った父の蔵書の前に缶入りの煙草と好きだった青色の花を飾ろう。
父が逝って12年になりますが、未だに 父の死を受け入れられずにいます。 西日本新聞の「父の日」のテーマ特集「こだま」欄に投稿されたどの方の文章を読んでも、涙が溢れます。