エチオピアで昨年9月に誘拐され監禁されていた「世界の医療団」の医師赤羽さんらが8日、無事解放されました。正直に、良かったと思います。 けれど、犯人グループが 示唆するように身代金支払いがあったとしたら、「日本人を誘拐すれば、政府は金を払う」というメッセージになりうると思えます。
私にも「あわや」という経験があります。
2003年「からゆきさん」の足跡を辿り、アフリカ、タンザニアのインド洋に浮かぶザンジバル島を一人、訪れた時です。空港で入国審査、手荷物チェックを受ける際、私のパスポートを審査官が返しません。別室に連れて行き、なにやらわめき散らしています。孝か不幸か、私には英語も、スワヒリ語もわかりません。ポカンとしているところへ、ガイドが飛び込んできて「大使館へ連絡しますよ」と凛と言い放しました。パスポートと引き換えにお金を要求したようでした。
毎年のように海外へ行きます。ほとんどがその国のスラム街です。どのような目に遭おうが「自己責任」と深く心に定め、毎回遺書めいたものを忍ばせます。そうしてでも、「からゆきさん」は国辱ではないと知らしめる旅はしたいし、インドの子ども達には会いたいと思います。3月、再びインドへ行きます。そこに、数人を小学校へ通わせることができるかもしれないという希望があります。
熊日夕刊の「きょうの発言」です。 題は、「希望があるから」としてもらいました。