スーパーのレジでのこと。70代と思われるご婦人が、両手に一つずつハンガーにかかった「もんぺ」を持ってきて、わたしの後ろに並ばれました。 レジの人に「どっちが、よかかな?」と訊ねています。 一つは、白い絣の模様が入っていて、もう片方には、赤い模様が入っていました。 レジの人はしばらく考えて、「シンプルな絣模様がいい」と答えました。 当のご婦人は、今度はわたしに「どっちがよかかな?」と聞きました。 わたしは「赤い模様が入っているのが好い」と答えました。 「わたしもこっちがよかと思うとばってん」・・・。 レジの人の機転で、「2対1だから」と、赤い模様の付いた「もんぺ」をご婦人は買って帰られました。
その年代の方の10代、20代、一番お洒落をしたい年代で「欲しがりません勝までは」のスローガンの下、赤い色を着るのをためらわれたのではないか,とわたしの勝手な想像ですが・・・、赤い模様の付いた「もんぺ」を胸に抱き、嬉しそうに帰られる後姿に、その後婦人のかわいらしさが伺えて ほのぼのとした気分になりました。
わたしはスーパーに「もんぺ」が売ってある事に驚きました。「もんぺ」を知らない人も多いでしょうね!ご婦人が「もんぺ」をはき、お元気で、野良仕事に精を出し、鍬を振るっておられる姿が目に見えるようです。