25日の 「きょうの発言」遅くなりましたが、載せますね!
小学校での読み聞かせに参加して10年になります。当初は子どもが一人も来なかったり、当番の日を忘れたりと試行錯誤の連続でした。
でも今では、赤ちゃんに絵本を贈るブックスタートや児童館の子ども達との交流へと活動が広がっています。
ある日、「読み聞かせを学びたい」という無口な高校生のA君と出会いました。私は思わず胸がキュンとなり、彼の手を握り締めました。深爪の指先が、高校生の頃の息子に重なりました。
息子が高校生の頃、私たちは出口の見えないトンネルの中にいた気がします。
学生服の背中に付いた泥の靴跡、骨折、先生達との話し合い。
その後、いじめについて息子に相談したことがあります。既に社会人になっていた息子の答えは「黙っとけ、先生に言うたっちゃ、どうにもならん。一人で耐えていくけん。時はいつか通り過ぎる」というものでした。
A君は読みきかせを練習する中で、ポツリ、ポツリと自己紹介を始め、自分の思いを笑顔で話してくれるようになりました。長い文章の言葉を発したA君に、練習を手伝った先生も驚き涙ぐんでおられました。
壊れそうな心を抱え悩み苦しんでいる子がどこかにいるかもしれません。読み聞かせを通してその子の心が少しでもほぐれ、立ち止まって自分を見つめる余裕を持ってくれたら、と願っています。