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熊日 朝刊 2月27日
「労働者派遣法の見直しを」
長野 稔 NPO理事
(熊本市)
経済の構造改革の一環で労働者派遣法が改正されてきた。
主なものは1999年12月それまでの「原則禁止、一部適用」から「原則自由、一部禁止」に、2003年6月製造業への解禁が行われた。これにより雇用形態が変わり、人々の生活が激変してしまった。
構造改革前は、学卒後正社員として就職し定年退職まで勤めるのが一般的であった。日常の生活費はもちろん、不慮の病気・失業への備え、老後の年金への備え、そして家族の養育費等、人間らしい生活を送るに十分な給料が支払われてきた。更に仕事に必要な知識や技能は社内教育や研修を受けてきた。自分や家族の「明日を考えながら」生活を送ることができた。
ところが構造改革後の非正規社員の場合はどうか。毎日の糧を得るだけの給料で、社会保障や年金の負担もままならず、家族を養うことも出来ない。また失業すれば収入と住まいを奪われ、路頭に迷うことになる。これが常態化してきたところに問題がある。
彼らに必要なセーフティネットを用意してこなかった事は国の責任である。構造改革の「光と影」を見極め、影の部分への配慮が欠けていたのである。貧困と社会不安を生みだす今の労働者派遣法は国の治安対策、少子化対策等の観点からも一刻も早く見直すべきである。
そうだな~!深く考えさせられますね。