近年、経済発展が著しいインドのムンバイ(旧ボンベイ)でも都市再開発が進み高層マンションやオフィスビルが林立している。他方その隣にはまだスラム街が残っている。発展に取り残された人々がまだ大勢いる。我々NGOが支援をしているムンバイの幼稚園もそのような所にある。
インドの農村地、隣国のバングラデシュ、ネパールなどから、毎年約2万人の貧困家庭の少女達が売られてきている。毎日家事の手伝い、農作業、家畜の世話、幼い弟・妹の世話をさせられ、学校に行くことができない。彼女達は騙されて、多くは大都会の売春宿に売られてきます。
ムンバイでも約10万人の売春婦がいるという。その大半がまだ少女です。その少女たちにも子どもが生まれ、「仕事」を続けながら育てていかねばならない。現地NGOの責任者は「子ども達が夜過ごせる所を早く造りたい」と言っていた。母親が夜、カーテンで仕切られた部屋の2段ベッドの上で「仕事」をしている姿を子どもに見せられないのだ。
親から子に受け継がれる売春婦の連鎖を断ち切らねばならない。そのためには子ども達に教育を受けさせる事が不可欠なのだ。幼稚園に通う子どもの母親が「この子を日本に連れていって、教育を受けさせてください」と語った言葉が悲痛な叫びに聞こえている。
副理事・長野さんの熊日投稿です。