5月10日、熊本日日新聞、朝刊の21ページに「貧困の連鎖断ち切りたい」として インドに幼稚園を作る会の記事が載っています.
子ども達の暮らす場所に行きました。売春宿の2階、3階が彼等が母親と暮らす所です。
なんと表現したら最も的確か!
最低、最悪、劣悪、どれも当てはまっていないような。
一瞬 足が止まる。何の明かりを頼りにこの住人達はこの階段を上るのか。
「ここに来たい」と言ってスタッフに頼んだのは間違いだったのでは、と 階段を見上げ、手すりを摑む刹那 ためらう。
先ほどまで幼稚園で一緒に遊んでいた女の子だ。階段脇に佇み、私を見とめたのかどうか うつろな目を向けてきた。
中略
・・・あぐらをかいたひざであやす赤ん坊が泣き出すとスプーンでミルクを2,3杯やる。それを何度か繰り返している。このスペースが彼女と赤ん坊の唯一の居場所。夜は赤ん坊を置いたまま階下に立つのだろうか。
外は真昼中。冬とはいえ30度近く、喧騒の中にある売春宿の しかし、ほんの一こまにしか過ぎないのである。
私はここで何をしている。
あかい小粒の薬が入っている透明の袋を「病院から貰った」と少し自慢げに同行のスタッフに差し出した。
また、赤ん坊がぐずった。わたしは床にひざまづいたまま手を差し伸べてほっぺに触れた。抱きたかったが壊れそうで怖く抱けなかった。彼女はエイズに侵されている。赤ん坊も多分エイズに罹っているだろう。スタッフ達の「産まないで」の制止も聞かず、彼が「産んで」と言うからと。幼い女心を 偽りと見抜けないままに彼の優しさにすがったのだろうに。・・・