社会に必要な公益市民活動 長野 稔
世界には戦争、民族・宗教紛争、環境破壊による災害、病気などで多くの人々が日々生命の危険にさらされている。また、圧政、強制労働、人身売買、貧困などで人間の自由と尊厳が失われ、健全な生活のための労働や教育の機会を奪われている人々も大勢いる。
日本国憲法25条に「すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とある。諸外国も同様の定めはあるが、実現には程遠い現実がある。経済のグローバル化が格差社会を拡大させ、問題を深刻にしている。社会ニーズの最大公約数的な部分は各国の行政、企業により財サービスの供給が行われてはいるが、行政は制度の硬直化、財政赤字の問題を抱え、企業は利潤追求に走るため、社会全体のニーズに十分応えることができない。グローバル化した社会では国家の対応にも限界がある。行政や企業活動ではての届かない特定の社会ニーズに応えるため公益的な市民活動が不可欠である。1998年に特定非営利活動促進法が施行され、法人への道が開かれた意義は大きい。多くのNPOやNGOが福祉、子どもと教育、環境、地域づくり、国際支援・交流などの分野で活躍し、重要な社会的役割を担っている。
登校する子に優しく声かけ 大久保 美喜子
朝、外で可愛い声がした。先頭の子どもが黄色い旗を持っている。新入生もいるのだろう。少し緊張気味に感じられる登校班だ。4月25日の本紙に「文部科学省が「脱ゆとり」前倒しの新学習指導要領を公表した」と載っていた。10年前、娘が小学生の時「図形の面積や星座のことを詳しく教えてもらえないのはかわいそう」と話していたのを思い出す。記事は地域により教育格差が生まれる懸念も示唆していた。今、塾でアルバイトをしている娘が、規約を見せてくれた。「塾という教育サービス業に従事するものにとって、生徒の成績を向上させ志望校合格を果たす事は至上命題であることは明らかである」とある。ここに、学力向上のために専門分野をより深く、より詳しく教えられる子どももいるわけだ。春のさわやかな風に泳ぐこいのぼりのように、どの子にも「元気良く遊べ」と言いたいが、学力低下への懸念の高まりから授業時間も増えると記事にある。亡き父が中学校の教諭だったこともあり、現場の先生方の苦悩が見えるような気がする。地域住民の一人として、せめて、登校する子ども達に「おはよう、行ってらっしゃい」と優しく声をかけよう。
今回も、なんと なんと「インドに幼稚園を作る会」会員さんとのダブル連続投稿掲載となりました。 ハッピーハッピーな出来事です。